中尊寺や毛越寺に代表される世界遺産の古都平泉に隣接し、岩手県の玄関口である。
当地一関市には、「日本一」を謳い誇れるものがいくつかある。

例えば「食」。
一関で食と云えばやはり「もち食文化」だろう。
一関地方には、定番の餡子餅やきな粉餅、胡桃餅やずんだ餅を初め、200種類以上もの餅料理が存在する。
ハレの日は勿論、各家庭ではことある毎に餅料理が食卓を飾る。

また「花」で云えば、やはりあじさいであろう。
一関市舞川の杉林(15ヘクタール)に、最盛期には5百種6万株以上(公式には4百種5万株)のあじさいが咲き誇る「みちのくあじさい園」がある。
なかでも「あじさい池」や「あじさい畑」が人気を博している。
日本あじさい協会より「日本一のあじさい園」として正式認定を受けている。今年の開園はもう間もなく、6月27日(土)から7月20日(月)迄。
人気の「あじさい池」は7月4日(土)から公開予定。

「文」で云えば、
知る人ぞ知る、公設民営の日本一小さな文学館(いちのせき文学の蔵)が一関市田村町にある。
場所は世嬉の一酒造の土蔵の一角。当地出身の文筆家や当地に縁の深い文豪の著書や直筆原稿などが展示されている。

いちのせき文学の蔵の運営母体が、「一関・文学の蔵」と云う民間組織である。その一関・文学の蔵が、年間事業の一つとして会誌『ふみくら』を発行している。
今号で10号目を迎えた会誌『ふみくら』は、前会長の及川 和男先生の企画・立案により、「地域に根ざした文芸・文化誌を作ろう」をスローガンに始まった。

創刊号はエッセイや詩歌を募り、わが心の一関をテーマに平成30年2月に発行。第2号は翌年の2月、第3号は平成31(令和元年)年3月10日に及川 和男先生が永眠されたことから、生前及川先生と知古を得た文筆家らより悼詞を寄せていただき、編纂した追悼号として10月に発刊。

続く4号からは特集を組んだ方が良いとの意見を受け、「一関と文学」を特集に令和2年6月発刊。
翌年の令和3年6月には「一関の歴史と文学」を特集に。
次号の6号は「一関と工芸、芸術との関わりや歴史」を特集に令和4年6月に発刊。7号は特集「一関と自然と食文化」として令和5年6月。

8号は「一関の祭りと文化」を特集に令和6年6月。
昨年の6月には特集を「一関・平泉を訪れた人々」として刊行を続けてきた。そして今号(10号)は、前号の特集「一関・平泉を訪れた人々」の第二弾として編纂し、無事発刊にこぎ着けた。

前回の私のブログでも紹介したが、今号の特集には、畠中祥夫会長による「今東光と瀬戸内晴美」、那須照市さんの「賢治が紡ぐ東山町と谷川三代」、池田真緒さんの「父 内海隆一郎の書斎から」、いちのせき文学の蔵館長の佐藤晄僖さんによる「井上ひさしさんと一関」、同じく世話人の関俊昭さんの「井上ひさしさんに関する回想のいくつか」など、特集の寄稿を得た。

また、特別寄稿として、木村孝さんによる「高野長英と一関」。
日比野曜子さんの「短歌で遊ぶ」。
そしてオノマトペ研究の第一人者で国語辞典主幹編集人、明治大学の小野正弘教授による「一関方言のオノマトペ」をご寄稿いただいた。

その他にはエッセイや詩歌(短歌8首、俳句8句)、地元高校生らによる全国高文連主催第40回全国高等学校文芸コンクール優秀賞受賞作品など、秀逸な文章をご寄稿いただいたことに先ず以て感謝したい。   
号を重ねる度、更には一関や平泉に纏わる物語りや人物に触れる度に、新鮮な思いで地元を見つめ直す機会を与えられ、その喜びも一入である。

今後も更に、今迄知り得なかった地元の再発見、貴重な史実に向き合いたいものである。その為にも、次号、次次号と継続刊行出来ることを祈願し、編集委員一同、粉骨砕身、勤倹力行して参るとともに、引き続き皆様方のご高配とご支援を賜りたい。

追記
世界遺産の天台宗別格本山「毛越寺」では、現在あやめまつりが開催されており、大泉が池の池畔には揚羽や初鏡、初光など3百種3万株のあやめが大輪を咲かせ、見頃を迎えている。
あやめまつりは6月30日(火)迄。

因みに、動画の後半には私の姿もあり