昨日、第46回中尊寺西行祭短歌大会が無事に終わった。
地震や大槌町の大規模な林野火災の影響で、出席予定者の中にも参加を断念せざるを得なかった方もいたようだ。
開会式の前には、西行法師を偲び追善法要が執り行われるが、その折、一刻も早い鎮火を祈願しながら、合掌、拝礼をさせていただいた。
短歌大会の開会宣言の後、中尊寺の奥山元照貫首から有り難いご挨拶を頂戴し、今回の選者、小島ゆかり先生の実績や圧巻の受賞歴など、縷々紹介させていただいた。
その後、演題を「詠もう、読もう」と題して、小中高生の作品や一般投稿歌、更には古典和歌や近代の歌集から18首を引き、丁寧な解説、講話を頂戴した。中には、突然空知らぬ雨を誘うなど、心の琴線に触れる話しもあり、実に内容の濃いあっという間の40分だった。
取り上げた一般投稿歌のなかに、「棺から外を覗けば生前は止められていた銘酒が並ぶ」との一首があった。
飽くなき欲望、或いは願望を詠んだ一首であろうと思われるが、私も是非、冥土の世界からみた現実の世界を鳥瞰する一首を作ってみたいものである。
その後休憩を挟み、歌会に入り出席者全員の作品を一首一首丁寧な講評を頂戴した。
出席者の皆さんは真剣に耳をそばだてながら、メモを取るなど熱心に学んでおられた。ご高齢の方が多いが、改めて一生勉強だなと思った次第である。
結果は次の通り
<中尊寺貫首賞>
死にかけて生きながらへて見る満月遥かな光を手のひらに受く 加藤 祐子 (宮城県)
<平泉町長賞>
母の日にをさなが描く母の顔ぐるぐる渦巻き愛の表現 小野寺 洋一 (奥州市)
<平泉観光協会会長賞>
ばあさんもじいさんもいないからと言い四隅残して田植えが終わる 中馬 慶子 (大槌町)
<岩手日報社賞>
法名をいただき心和みしかクマといふ名の母を想へり 菊池 秀子 (奥州市)
<IBC岩手放送賞>
日本海降りみ降らずみ雲切れて時おり佐渡へ架かる大虹 柳村 光寛 (新潟県)
<岩手日日新聞社賞>
頑固なる親父に負けぬ女房は遠洋漁業の留守宅まもる 保坂 みさ子 (宮城県)
<佳作入選>(芳名のみ)
船岡 房公 (滋賀県)
安部 譲 (奥州市)
千葉 喜惠 (一関市)
森田 小夜子 (東京都)
遠藤 カオル (奥州市)
山縣 満里子 (山口県)
高橋 忠徳 (奥州市)
阿部 洋子 (奥州市)
追記
北上市の日本現代詩歌文学館年間行事の一つ、「短歌実作講座」が9月・10月・11月と3回行われる。
また、昨日の地元紙(岩手日日)に、来月の5月24日(日)、毛越寺で行われる曲水の宴の記事が載っていた。
歌人らが平安時代の装束をまとい、羽觴(うしょう)が遣水を流れてくる間に歌を詠むと云った雅な歌遊びだが、歌人らが歌を短冊に揮毫する際に用いられる硯、東山町で代々受け継がれる伝統工芸の紫雲石硯を、紫雲石作家で東山図書館館長の佐藤鉄也氏が毛越寺に寄贈した旨の記事が載っていた。


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