一関市近郊の陶芸家による第29回黄金の国陶芸展が千厩酒のくら交流施設で行われている。
私は10年以上前だったが、過去に一度足を運んだことがある。
その時のお目当ては、隣県(宮城県栗原市金成)に窯を持つ大久保窯の村上世一氏の作品が目当てだった。

当時、大久保窯を訪れた折、出されたコーヒーが妙に美味しいと感じたものだ。
インスタントコーヒーだったと思うが、過去に味わったこともない至高の味だったことを今でも覚えている。その感動的な美味しさは、コーヒーそのものと云うよりも、入れる容器、つまり村上世一氏作のマグカップにあると私は確信したのだった。

何故なら、カップに唇が触れた一瞬の感触が、実にマイルドでしっくりくる絶妙な厚さだったからである。その感触は今でも忘れられない。
そんなこともあり、当時、千厩酒のくら交流施設の陶芸展を訪れたのだった。
然し乍ら残念なことに、村上世一氏は2022年11月29日に黄泉の国に旅立たれた。
因みに、村上世一氏が発起人となって始まった陶芸展が、現在の「黄金の国陶芸展」だと聞き及んでいる。

今回陶芸展に訪れたのは、地元の市民センター主催の陶芸クラブの年間行事の一環として訪れたもの。
出展者のなかには、陶芸クラブの先生(あすみ工房の小山澄江先生)の作品も展示されてあることから、応援がてらの訪問である。
陶芸展には9名の陶芸家の作品が整然と展示されており、また、東山和紙の作品や体験コーナーもあった。それにしても流石である。どれを見ても素晴らしい作品ばかりである。
今後の作陶の折、是非とも参考にしたいものである。

今年度の、あすみ工房での陶芸教室は残すところあと1回。仕上げの釉薬や短歌の揮毫などを残すのみだが、来春の陶芸教室に是非とも活かし、また、大久保窯のマグカップの口当たりの感触を思い出しながら作陶に精進したい。
陶芸展鑑賞後は、近くの寿司屋に行き、寿司屋でカツ丼は意外だが、評判のカツ丼をいただく予定だった。しかしながら急な大雨に見舞われ、「楽しみは後日」と云うことにして会場を後にしたのだった。

第29回黄金の国陶芸展日程
日時:2025年9月13日(土)~15日(月)
会場:千厩酒のくら交流施設
   岩手県一関市千厩町千厩字北方134
時間:10:00~16:00(15日は15:00まで)


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東山和紙の紙漉き体験

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あすみ工房のすぐ横に展示してある及川能宏氏(香月窯)の作品。上部のフォト短歌には本人も写っている。勿論、師匠のあすみ工房の小山澄江さんが一番だが、及川氏作の土と赤松の炎で焼き締められた備前焼の艶、眩しいばかりの照りに感動した次第である。


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