今年の直木賞は該当者なし。
我々岩手県民としては、今度こそ受賞すると確信し、期待していた作家が、釜石市出身の柚月裕子氏(山形市在住)である。
新刊の『逃亡者は北へ向かう』が、3度目の直木賞候補としてノミネートされていたものの、惜しくも叶わなかった。

その柚月氏が昨日、JR大船渡線開業100周年記念の記念行事の一環として、一関文化センターを会場に、KADOKAWA社の山田剛史氏とのトークセッション形式で講演会が行われた。
演題は「旅の魅力と岩手の文化」と云うことで、JR大船渡線(ドラゴンレール)に纏わるエピソードや、取材がてらの旅の話、各地の名物や食の話などなど、興味がそそられる話が満載だった。
なかでも食の話になると、私は急に耳がそばだつ。

取材で訪れた山梨での「ほうとう」の話には、ついつい身を乗り出しながら聞き耳を立てた次第である。
当地一関市近郊では、一般的に「はっとう」または「はっと汁」と呼ばれている。所謂「すいとん」のことだが、私の大好物でもある。

私は小説の類はあまり読む方ではないが、タイトルに惹かれたこともあり、柚月氏の代表作として『孤狼の血』を読んでみた。
しかしながら文字が小さ過ぎて、結局レンタルビデオ屋からDVDを借りることにした。
刑事と反社のドロドロとした男臭さ過ぎ、血生臭さ過ぎる物語りを、よくもあそこまで繊細に仕上げたものだと感心した次第である。

著作にあたり、舞台設定の重要性を強調していることから、現地広島に何度も足を運び、取材した当時の経緯など、山田氏との対話を興味深く拝聴させていただいたのだった。
因みに、映画『孤狼の血 LEVEL2』には、柚月氏本人や山田氏も出演(ちょい役?)しているとのことである。

750ボルトの男


natukusaya