昨日、蔵元レストランせきのいちの一室を会場に、一関・文学の蔵発刊の『ふみくら9号』の発送準備や、今後の運営方針についての会議が行われた。
次号はキリの良い10号目を迎えることもあり、結論には至らなかったが、趣向を凝らす必要がありそうである。

今号の内容は、特集を「一関・平泉を訪れた人々」とし、佐々木邦世(中尊寺仏教文化研究所)所長より「句碑に想う 青邨と楸邨」。当文学の蔵の畠中祥夫会長による「芭蕉、奥州へ~(奥の細道)管見」、同じく文学の蔵世話人の佐藤竜一氏寄稿の「ブルーノ・タウトと藤島亥治郎」、私の「西行のみちのくへの訪れ 巡行と子規の無念」の4編。

他には特別寄稿を含む随筆及びエッセー6編。短歌8首、俳句8句。地元高校生作品の詩や俳句(全国高文連主催第39回全国高等学校文芸コンクール最優秀賞など)、更には当文学の蔵世話人の千葉万美子さんが講師を務める、一関市立図書館主催の随筆講座の受講者らによる随筆10編。118頁仕上げとなる。
表紙には、前号、前々号と同じく、重度の障害を持つ三浦りんさんが、目の動きでパソコンを操作する視線入力を活用して描いた「アッカトーネの夜」を掲載させていただいた。

今号の特集のなかで、佐々木邦世所長が取り上げた加藤楸邨は、青春期を一関で送り、書屋号が「達谷山房」、戒名が「智楸院達谷宙遊居士」であることから、一関や平泉への愛着の深さが窺える。
また今回、特別寄稿として寄せられた東北大学名誉教授の小原隆博氏が、「危険な宇宙嵐を予測する宇宙天気予報」と題して宇宙の謎に迫まったが、私は壮大なロマンに心躍り、宇宙の神秘に想いを馳せた。読者の皆さんにとっても、新鮮で示唆に富んだ教示になるのではないだろうか。

また、久保健一氏や吉川厚子さんが取り上げた各界で活躍された一関出身の人物を知り、改めて感銘を受けた次第である。
号を重ねる度、更には一関や平泉に纏わる物語りや人物に触れる度に、新鮮な思いで地元を見つめ直す機会を与えられ、その喜びを実感している。

 ◆ふみくら第9号の取扱店◆
 (株)北上書房
 (株)さわや書店
 日野屋ブックセンター
 小原書店
 一BA(いちば)
 一関市役所売店
 「いちのせき文学の蔵」
 「酒の直売所せきの市」でも販売しています。

 定価800円(消費税込み)

追記
いちのせき文学の蔵には、来館者用のメモ帳が置いてある。
そのなかに、「井上ひさしの語録(思案が尽きたら寝るのが一番)が気に入りました」と書かれた一文があった。
いわずもがな、私も思案が尽きた時には直ぐに寝ることにしている。
最近は特に、尽きた時のみならず、妙にそのケースが増えたようである。


nerugaichiban



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