予てより、是非とも鑑賞してみたいと思っていた千厩在住の二刀流作家、菅原幹夫(94歳、雅号は箕山)さんの個展を拝覧しに千厩図書館を訪れた。
作品は図書館1階の会議室に展示(48作)されており、どれもこれも皆実に見事な作品に、感嘆し、感慨を深めたのだった。
先ず初めに目に飛び込んできたのが写経の一幅である。
私も一日一行を課し、毎晩筆を執っているが、菅原さんのような秀逸な揮毫は無理。更に印象的だったのが刻字である。
木版に揮毫した文字をノミで彫り、色を重ねて彩色した逸品に、暫し見入ったのだった。
その立体的な仕上がりは光の角度によって変化する。
肩書に「二刀流作家」とあるが、書道家として、更には刻字家として技を極めておられる。
実に見事な作品だかりだった。
展示は今週の土曜日、2月15日迄。抽選で3名に卓上サイズの墨書作品がプレゼントされるとのこと。勿論私も応募したのはイワズモガナである。
それにしても千厩には技芸に秀で、才に溢れた方が多い。
画家の熊谷登久平氏や、祖父の友人であり、魚を描かせたら日本一の白石隆一画伯。経済学者で評論家としても活躍した加藤寛氏。詩人でエッセイストの白石公子氏も千厩の出身である。
因みに、雅号の箕山(きざん)は、おそらく箕山之志(きざんのこころざし)から引用したのではないかと思われるが、箕山之志とは、世俗の名利を捨て、操を守り抜こうとする志の意。
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