先日放送のポツンと一軒家(以後、ポツ一)も実に感動的だった。
新潟県のポツ一で、ブナ林の中に別荘(山小屋)として建てたそうだが、家主が70歳の時に自力で、しかも建築現場に通いながら見様見真似で建てたのだそうだ。とても素人が建てたとは思えない程しっかりしていて、とても居心地の良さそうな建物だった。それにしても器用なものだ。

ポツ一の家主は現在92歳とのこと。
背筋がピンと伸び、足腰もしっかりしていて矍鑠としておられた。
屋内には定番の薪ストーブがあり、その周りを耐火煉瓦でしっかりと囲んでいたが、それもまた家主の手作り。息子の嫁さんの話では、夏の暑い最中でも火を絶やさないとのこと。熊よけの為でもあるらしい。

ブナ林の敷地内には別棟もいくつかあり、それも全て家主の手作りとのこと。
なかにはピザ窯小屋もあり、業務用としても十二分に機能しそうな、大きなしっかりとしたピザ窯があった。但し、大き過ぎてか、火の回りが悪いとか・・・。
雪深い冬以外は毎日のように訪れ、ブナ林に囲まれ、静謐な空間のなかでうたた寝しながら瞑想にふける。これぞ至福のひと時であり、最高の贅沢である。
私の、今年の賀状のフォト短歌にもあるように、今後の目標は早く引退して、熊のようにひっそりと、マイペースで静かに暮らしたいものである。

余談はさておき、
ポツ一が建っているブナ林一帯は、他に地権者がおり、ポツ一の家主は借りているとのこと。敷地内には水田や畑の他、池もあった。
冬期間はその池に錦鯉を入れ、越冬させるとのことだが、実に大きくて立派な錦鯉だった。
そもそも、周辺では以前から食用として真鯉を飼育していたそうだが、突然変異により、色が付き始め、年月を経て今のような色鮮やかな錦鯉になったそうである。それが錦鯉の始まりとのこと。

錦鯉と云えば、私の伯父(仙台市、故人)も生前、趣味の一つとして錦鯉を飼っていた。自宅前の庭には大きくて深い池を作り、ろ過装置も自分で設計したとのこと。当時は伯父の名前(松川式濾過装置)で呼ばれていたそうだ。
凝り性の伯父はろ過装置はもとより、錦鯉の産卵から飼育まで全て自分で行い、鯉の品評会では何度か日本一になったこともある。
今から30年以上前のことだが、我家の池にも30匹ほど伯父が持ってきたが、近所の猫の餌食となったようで、残念ながら今は1匹もいない。


ayumi