一日一行を自分に課し、続けてきた紺紙金銀字写経の2枚目が終わった。
以前にも書いたと思うが、先ず写経を始める前には必ず手を洗い、口を濯いでから紺紙に向かい、合掌しながら暫し黙祷の後、姿勢を正して書き始める。
一日一行、1枚書き終わるには、18行あるので18日間と云うことになる。
1枚書き終えてから反省を踏まえ、一行一行、一字一字丁寧に見直す。
するとその時々の心情、或いは体調の違いもあってか、僅かな違いに気付くものである。

前述したように、書き始める前には合掌し、無心になろうとするがどうしてもなれない時がある。
無心になろうとすればする程余計に雑念が湧いてくるものだ。
先日、とあるTV番組で修行僧が話していたが、雑念が湧くのは至極当然なことであり、無理やり無心になる必要はないと、確か話していたように記憶している。もっとも記憶が正しければだが・・・。
兎も角、それを聞いて少し安心したものだが、とは云え、写経の経典を前にし、正座しながら一字一字心を込め、無心で写経するのが最も望ましい状態であろう。

写経と云えば、奥州藤原氏初代当主の藤原清衡公が建立した中尊寺を初め、二代目当主の藤原基衡公から三代目当主藤原秀衡公の時代にかけ、多くの伽藍が造営された毛越寺でも写経体験(事前予約制)ができる。
また、その毛越寺では、来る8月16日に浄土庭園大泉が池で灯籠流しを執り行う法灯会(ほうとうえ)が営まれる。その灯籠流しの灯籠に、一昨日祈請を揮毫する為に毛越寺を訪れた。
能登の復興が一刻も早く叶うよう、今年も三灯に願いを込めて揮毫させていただいた。
因みに毛越寺の法灯会は、東日本大震災以来毎年行われており、奉納金(1灯につき1000円)は全て、震災孤児や世界の恵まれない子供たちのために寄付されている。

中尊寺写経体験

毛越寺写経体験



genkiwomorau

DSC_0021
今東光大僧正揮毫 中尊寺所蔵

DSC_0016
法灯会用灯籠 毛越寺