一関・文学の蔵の事業の一つ、会誌『ふみくら』は、「地域に根ざした文芸・文化誌を作ろう」をスローガンに、文化の向上及び地域興しの一環として2018年春、当時一関・文学の蔵会長の及川和男先生(故)指揮のもとで創刊。以来今号で8冊目を迎える。
その『ふみくら8号』も漸く原稿が出揃い、後は校正作業を経て6月上旬の刊行を待つばかりとなった。
前号に続き今号の表紙にも、視線入力訓練アプリEyeMoT(アイモット)を活用して描いた三浦りんさんの作品を起用させていただいた。タイトルは「弘前ねぷた」、黒を基調としたダイナミックで斬新なデザインは、いつまでも瞼の奥に残る印象的な現代アートである。
本誌の内容は、特集を「一関の祭と文化」として5名の寄稿のほか、特別寄稿として、奥州藤原氏初代藤原清衡公の建立以来、900年目を迎える中尊寺金色堂の寄稿文を初め、昨年6月国の重要文化財に指定された一関が誇る大槻家関係資料に纏わる寄稿文、地元詩歌人による短歌や俳句作品、地元高校生らによるコンクール入選作品(詩2篇)、エッセー及び随筆(12篇)や短編小説、また、地元一関市の出身者で、第7回翻訳ミステリー大賞と第4回翻訳ミステリー読者賞ダブル受賞の翻訳家、柳沢由実子さんによる寄稿文など、内容の濃い、読み応えのある一冊となりそうである。
追記
4月30日付け読売新聞の記事に、「一関・文学の蔵」の拠点である世嬉の一酒造の記事が載っていた。その中に、日本一小さな文学館として知る人ぞ知る「いちのせき文学蔵」のことが紹介されていた。
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