方言とは、広辞苑によると「共通語に対してある地方だけで使用される語」とある。
では共通語とは、「言語社会に於いて、その地域に渡って共通する言語や方言」とある。
ということは、全域に渡って通用すれば方言と云わず、共通語と云っていいことになる。
岩手県南地方の方言を5000語以上収めた方言集がこのほど出版された。
一関市萩荘在住の齋藤初美(85)さんの編纂によるもので、方言と共通語を両引き出来る一冊である。
東日本大震災の折、地上波で全国に東北地方の方言が発信されたが、認知度もかなりあがったことから、共通語として・・・、少々難があるか・・・。
一言で方言と云っても、同じ県内でもかなり異なり、意味が通じなかったりすることが往々にしてある。
岩手県南に住む私には、県北、特に沿岸部の方言は理解出来なかったりする。その逆もまた然り。
況してや、齋藤さん編纂の方言集に目を通すと、同じ県南(一関)地方の方言とは云え、今迄知り得なかった方言が随所にでてくる。
それだけ地域によっても異なれば、年代によってもかなり異なるのだ。
しかしながらそれぞれ親しみがあり、愛着が湧く俚言である。
しかしながらそれぞれ親しみがあり、愛着が湧く俚言である。
ただ残念なことに、近年、若い連中からは特に、地方に住んでいてもあまり聞かれなくなった。
「ふるさとの訛なつかし停車場の人ごみの中にそを聴きにゆく」と啄木が詠んだが、齋藤さんの方言集のなかから、愛惜の「そ」をじっくりと探してほしいものである。勿論、私もだが・・・。
方言句 「さぎみだす もものながより はづざぐら」
「咲き乱す 桃の中より 初桜」松尾芭蕉
◆方言集より、面白そうな文言を一部(あ行のみ)紹介
<共通語> <方言>
ああでもないこうでもない・・・・すったのはげだのって
上がる(あがる)・・・・・・・・もじゃがる
悪習慣・・・・・・・・・・・・・はなもげるよだ
温かな・・・・・・・・・・・・・ぬげな
あっけらかんとする・・・・・・・べらっとすて
阿呆(あほう)・・・・・・・・・あんぽんたん
雨蛙(あまがえる)・・・・・・・あおびっき
荒々しい・・・・・・・・・・・・あじゃら
あんなもの・・・・・・・・・・・あんすてぇなもの
他にも面白い方言が沢山ある。
是非とも齋藤さんの方言集を購入(北上書房)し、呵々大笑しながらノスタルジアに耽り、「教養」を高めていただきたい。
「教養」と云えば、とある知事さんの挨拶を思い出す。
先ずその前に、教養と云う語の意味を調べてみたい。
「教養」とは、広辞苑によると単なる学殖・多識とは異なり、一定の文化理想を体得し、それに準じてあらゆる個人的精神能力の統一的創造的発達を身に着けていること。その内容は時代や民族の文化理想の変遷に応じて異なる。
そもそも「教養」は、ラテン語の「cultura」から来ており、culturaの意味は耕作である。
土を耕し野菜を植え、草取りをしながら水をかけ、じっくりと時間をかけ愛情を持って育てる。
そうすることによって甘みや旨味を増す野菜ができるのである。
人間もそうだが、単なる学殖・多識だけではなく、精神能力の統一的創造的発達を身に着け、洞察することが教養を増すことになる。
岩手県南でも現在桜が見頃を迎えている。
花見もいいが、田んぼや畑の土起こしに汗を流し、土と触れ合いながら教養を高めたいと思う。



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