千年も続いた歴史ある奇祭「黒石寺蘇民祭」が、来年の2月で幕を閉じることになったそうだ。
世話人らの高齢化や担い手不足がその大きな要因とのこと。
黒石寺の蘇民祭は、下帯姿の男衆が護符の入った麻袋(蘇民袋)を取り合う争奪戦や、火のついた井形に組んだ松の木の上で、山内節(やまうちぶし)を歌う柴燈木登(ひたきのぼり)などの勇壮な祭りとして知られる。

黒石寺の蘇民祭ではないが、私も20余年前の42歳の厄年の折、平泉の毛越寺で1月20日に行われる常行堂二十日夜祭に参加したことがある。平泉駅前から出発する献膳行列や、毛越寺境内での柴燈木登、常行堂に辿り着くとクライマックスの蘇民袋の争奪戦が始まった。
凡そ30分程の短い時間ではあったが、これがまた実に面白かった。
雄叫びとともに熱き血潮をたぎらせ、本能むき出しの闘争心がメラメラと湧いてくるのをふつふつと感じたものだった。
20年以上経った今でもあの時の熱気、熱き思いを忘れられない。

本当ならば、黒石寺蘇民祭も続けた方が良いと思うのだが、それぞれ色んな事情があるのだろう。
已む無しである。
行事でも、事業でもそうだが、始めることはそれなりに大変でもそれほど難しくはないと私は思っている。始める時は勢いがあるからだ。
ところが、やめるとなると状況は全く異なってくる。

一般的に、伝統ある行事を廃止するとなるとかなりのエネルギーが必要となる。
通常、話し合いでの存続案は正論として位置づけられ、廃止案は曲論、或いは異論として扱われるのが一般的だと思う。
今回の黒石寺蘇民祭の廃止決定に至るまでは、相当悩み、かなり苦しんだに違いない。
何れまた、社会の情勢が変われば再開することもあり得る。
それまでは黙って見守り、来春行われる最後の黒石寺蘇民祭をしっかりと記録に収め、再開時の為の用意だけはしっかりとやられた方が良いのではないかと、老婆心ながら思った次第である。


murasakishikibu






献膳行列(20数年前の私)↓↓↓
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