一昨日の水曜日、前回に続き短歌実作講座受講のため北上市の日本現代詩歌文学館を訪れた。
講師はコスモス短歌会所属の小島ゆかり先生。
今回の講座は注目歌人の一人、鈴木加成太歌集『うすがみの銀河』作品抄より12首を取り上げ、怜悧で懇到切至な解説や講評が展開された。
鈴木加成太氏の『うすがみの銀河』は、現代歌人協会賞や日本歌人クラブ賞を受賞するなど、新進気鋭の若手歌人として現在注目を集めている一人である。
◆八月の空に青葉のあお満ちて<戦争は白黒ではない>と気づく◆
高校時代に詠んだ一首だそうだが、「ウムっ・・・」と唸る秀歌である。
◆「あ」の中に「め」の文字があり「め」の中に「の」の文字があり雨降りつづく◆
これまた「ムムムっ・・・」と唸る一首である。
確かに、「あ」を分解して並べると「あ・め・の」となる。梅雨の今に相応しい一首である。
もう一首
◆七月笹を母と担いで帰りし日 うすがみの銀河がさらさらと鳴る◆
幼少の頃の懐古詠だろうと思われるが、センチメンタルでノスタルジアを想起させるシュルレアリスティックな一首、と確か小島ゆかり先生が解説していたように思うが、3句目の「うすがみの銀河」は本のタイトルになった文言だが、歌に更なる深みを与えているように思う。
小島先生による『うすがみの銀河』作品抄12首の解説、講評後に我々受講者2首の添削及び寸評へと進んだ。
先陣を切ったのは前回同様私の拙歌2首である。
有り難いことに、1首目は若干の手直しを頂戴したものの、2首目は直しもなく、好評を頂戴した。
小島先生の至誠と優しさに満ちた講評に、今回も気分を良くして日本現代詩歌文学館を後にしたのだった。次回は最終回。7月26日(水)午前10時からの予定である。
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