ウクライナの何の罪もない、武器など一度も手にしたことのない多くの一般人が空爆の犠牲となり、弾丸に倒れている現実が、同じ空の下で起こっている。
戦火を逃れ、多くのウクライナ国民が国外へと避難している。
つい先日迄、家族がリビングに集い、ボルシチやヴァレーヌィクなどの食事を取りながら、会話を楽しんでいた家族団欒のひと時は、もうどこにも無い。
戦争はあまりにも酷い。あまりにも切ない。あまりにも悲しい。そして あまりにも憎い。
ロシアに対し、日本もアメリカに右倣えで経済制裁の強行に出ている。
確かに、ウクライナ国民の悲痛な叫びや惨状を目にすれば、ロシア軍に対する憎悪を増すばかりだ。
しかしながらそれで戦争は終焉に向かうのだろうか。
北方領土問題を抱える日本であれば尚更、経済制裁で圧力をかけるのではなく、停戦に向け、仲裁役として粘り強い説得、交渉をすべきではないだろうか。
一昨日、ウクライナのゼレンスキー大統領が日本の国会でオンライン演説を行った。ウクライナの惨状を訴えた上で、ロシアに対する継続的な経済制裁を訴えた。
しかしながら更なる経済制裁は、核の使用や化学兵器使用の起爆剤となり、火に油を注ぐことになりかねない。
もし万が一そうなった場合、第三次世界大戦の現実味が確実に帯びてくるのではないだろうか。
慎重に検討すべきである。
ウクライナの惨状を鑑みると、ロシアに対する敵対感情ばかりが高まり、更なる経済制裁を後押しすべきといった国民感情の高まりは、危険な兆候であると云わざるを得ない。
ゼレンスキー大統領の国を思う気概、徹底抗戦により国を守りたいとする心情は確かに理解できる。
しかしながらこれ以上ウクライナ国民の犠牲者を出さない為には、譲歩するところは譲歩し、妥協するところは妥協する勇気を持つべきだと私は思う。
「国家は国民がいて成り立つ」もの。
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