新緑のきはみに凱旋門となる日比谷通りに芽を噴くいちやう
日本現代詩歌文学館の篠弘館長が、1999年刊行の歌集『凱旋門』のタイトルとなった一首。
新緑の頃、日比谷通りの銀杏を詠んだ一首だろう。日比谷公園には「首かけイチョウ」と云う樹齢推定400年を超える銀杏の巨木があるそうだ。
その老木を中心として、5月の中旬だろうか、銀杏群が五月晴れの下、新緑をなびかせている。さながらその様子は凱旋門の様である。

篠弘館長は当時、百科事典を編纂する大手出版社の一流編集人として最前線に立つ企業人だった。
糊の効いた真白なワイシャツにネクタイをビシッと締め、シワのないスリーピースに身を包みながら右手には原稿の詰まった黒革のアタッシュケースを持ち、颯爽と銀杏並木を歩いたに違いない。

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