私は子供の頃から中国に憧れを抱いていた。孔子や老子、荘子や荀子など、偉大な哲学者であり思想家がいた。
また、李白や杜甫と云った名代の詩人もいた。
なかでも特に、儒家の始祖と云われる孔子の論語は、人生訓として今でもその教えは脈々と受け継がれ、息衝いている。
「過ちては改むるに憚ること勿れ」「義を見てせざるは勇無きなり」「知らざるを知らずと為す是知るなり」「過ぎたるは猶及ばざるが如し」「好きな事を仕事にすれば一生働かなくてすむ」
などなど、人生に於いて、教訓となすべき珠玉の金言、名言が溢れている。

また、陳寿の歴史書、『三国志』のなかに出てくる関羽(美髯公関羽)には、心底から憧れたものだ。
蜀の武将として燕人張飛や諸葛孔明らとともに劉備玄徳を支えた乱世の英傑のひとりである。
武芸のみならず、知性、人徳、義理を重んじ、利他愛を備えた精神性の高さ、文力両極を連想させる美髯公関羽のような偉丈夫、大丈夫になりたいものだと、私は真剣に思ったものだ。
中国にはそのような立派な人物、大陸的気風の、寛容の精神を持った大人物が沢山いるものだと思っていた。
ところが今、利他愛や、他者を気遣い、重んじるどころか、強引な手法で領土を広げ、覇権争いに終始しているように思える。

カシミールやアルナチャラブラデシュ、西沙諸島や南沙諸島、我が国固有の領土である尖閣諸島もまたしかり。
更には、台湾や香港に対しての強引で執拗な姿勢は如何なものか。
特に、香港に於いては、1997年7月に英国(資本主義)から返還され、中国(社会主義?)本土とは異なる制度を有する一国二制度が、2047年迄認めることが約束されていた。
外交や防衛を除く分野で、独自の行政や立法、司法権を有し、言論や集会の自由、通貨やパスポートの発行権などを持つ特別行政区として、2047年迄の50年間、認められていた筈だ。

その一国二制度を否定するかのような法律、中華人民共和国香港特別行政区国家安全維持法(香港国安法)が全国人民代表大会(全人代)常務委員会で6月30日、全会一致で可決された。
この法律は、香港に於いて反体制派の活動を禁じることが目的で、言論や集会、報道などの自由が認められなくなる。
正しく、一国二制度の崩壊を意味する。
香港は嘗て、英国の植民地として民主主義の思想が浸透しており、それぞれの価値観を持って生き、発展してきた。
その民主化の道を命懸けで守ろうとする香港の人達を、力でねじ伏せ、押さえつけてはいけない。

孔子の教えである「義を見てせざるは勇無きなり」「過ちては改むるに憚ること勿れ」誰でも人は過ちを犯す。
そのことに気付き、勇気を持って改めるべきではないだろうか。
香港島の北西部、香港セントラル地区に26階建てのビルが存在感を誇っている。香港政府が入るビルだ。
そのビルはハの字型の建物で、前方から見ると、羽を広げているように見える。その意味は、「国民に開放し、門戸と開く」と云った意味だと聞いている。
是非とも、その初心に帰り、民の為の政治、政府に戻るべきではないだろうか。

香港九龍游々紀行 前編 2019年1月20日
香港九龍游々紀行 後編 2019年1月21日

sorezorenomichi





kanu
 若い頃、関羽のつもりで描いたものだが、自画像に近いようだ! 絵心の無さをつくづく感じる。

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