オノマトペとは、擬声語を意味するフランス語が起源であり、擬声語とは、「擬音語」「擬態語」を包括した総称である。
情景をより感情的に表現する手段として、或いは生き生きとした躍動感を表す言葉としてよく用いられている。短歌の世界でも、斎藤茂吉の歌集「赤光」833首のうち8.6%に及ぶ72首にオノマトペが使われている。
『死に近き母に添寝のしんしんと遠田のかはづ天に聞ゆる』などは、切なさ、物悲しさを助長する擬態語である。また、著者(下記)と同郷岩手出身の歌人、石川啄木もよく用いていた。
なかでも、『たんたらたらたんたらたらと雨滴が痛むあたまにひびくかなしさ』は代表的な一首である。また、花鳥風月に重きを置く明治以前の和歌から、俳句の流れをくみ、生活感溢れる身近な題材を短歌に取り入れ、流れを変えたと云われる正岡子規も度々オノマトペを用いている。

そのように、私達の日常生活にも馴染み深いオノマトペを研究する幼なじみがおり、この度、『感じる言葉オノマトペ』が角川選書として出版された。
著者は国語学者の小野正弘(明治大学)教授。

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