昨日も講義、講演漬けの一日だった。
まず、国立一関高等専門学校での特別講義「研究も教育も感動から-光触媒を例にして-」と題して、光触媒の第一人者であり世界的権威の藤嶋昭(東京理科大学学長)先生が教壇に立ち、「空が青いのは何故?」から始まり、虹の色について日本は7色だがアメリカでは6色、ドイツでは5色。
或いはまた、落雷の発生原因やアインシュタインの一般相対性理論などから本題の光触媒まで、2時間の講義だったがあっという間に時間が過ぎた感があった。

本題である光触媒とは、端的に言うと、光が吸収されることによって触媒作用を示す物質の総称であり、一般的には酸化チタン (二酸化チタン)が知られている。
光触媒自体は光の吸収で変化する事はないが、表面に強力な酸化力を帯びる事により、それに触れた有機化合物や細菌などの有害物質は分解されるといった特徴を持つ。
その為花粉症やアトピー性皮膚炎、喘息やシックハウス或いはシックカーなどの原因物質である花粉やダニ、化学物質などを分解・除去するといった特徴がある。

また、有機化合物や細菌などを分解することから、タバコの匂いやトイレの嫌な匂い、ペット臭や車独特の匂いまでもが分解・除去される対象となる。
更には汚れが付き難くなるといった優れた特徴を併せ持っていることから、掃除が大変な高層ビルの外壁や窓ガラス、道路のガードレールやテントなどなど、用途もかなり広い。
私も以前からこれには注目していて、更にもっと効果の高いものはないかと色々探していた中で、国交省大臣認定を授かったプラチナチタン触媒に突き当たったが、これもやはり基礎となるのは光触媒の研究である。

その光触媒を発明(発見)した藤嶋先生は、ノーベル化学賞の有力な候補者として常に名前が上がっているとのこと。東京理科大学では来年の4月に葛飾キャンパスがオープンし、更には光触媒専門の研究施設もオープンするとのことである。


一関高専での貴重な講義を受講した後、その足で岩手日報一関広華会主催の鳥越俊太郎講演会の会場に向かった。鳥越さんと云えば、サンデー毎日編集長などを経てニュースキャスターやコメンテーターとしてお馴染みだが、正義感に溢れ、悪や権力に怯むことなく正面から立ち向かい、正論を堂々と唱えるといった、見識に優れた傑物(けつぶつ)であると私は思っている。
大腸がんから始まり、数度に渡るがんの摘出手術を受けながらもピンピンしており、来年はホノルルマラソンに挑戦するとのことだ。
スーパーポジティブに生きると題した今回の講演だが、正しく「さもありなん」といった感じであった。



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