ウォール・ストリート・ジャーナルの社説で、「歌舞伎内角―野田首相のうわべだけの改造」と称された野田政権3度目の内閣改造人事だが、注目はもっぱら文科省大臣への、ある意味ではサプライズ人事だった。
「教育でどう人づくりをするかが全てのベースだ、尊敬される日本人をつくる」と、国民から尊敬される当人がお っしゃるのだから、間違いのない方向へと日本の教育を導いてくれるに違いない。

兎も角、ある意味での諷刺はさておき、父親譲りの類まれな推進力には大いに期待できよう。
ただその推進力が現場迄届いたにしても、果たして自尊心が高く、矜持に満ちた当事者たちに、素直に受け入れられるか否かは疑問だ。

応用物理や応用化学がめざましく進んだいま、教育の方向性を一歩間違えれば、国家、或いは世界を滅ぼしかねない起爆剤ともなる国家百年の大計である。
尖閣や竹島などの領土問題では、中国、韓国ともに隣国との領土問題を採り上げた教科書や、実際に授業で採り上げているのだとか。
その点日本はどうか。

ナショナリズムを闇雲に煽り立てる行為や教育は避けるべきだが、「事の真実」「歴史上の事実」だけは、しっかりと教育の場で、中立の立場、公平な見識の下で教えるべきが、正当な道理というものだろう。

さて、今回の内閣改造人事の中で、我が岩手県出身の黄川田徹議員が復興副大臣として入閣する事となった。
氏のご家族6人のうち、奥さんと長男、そしてご両親の4人が、昨年3月の東日本大震災の犠牲となり、天に召された。その、言いようのない悲しみや苦しみの最中、復興基本法を審議した衆院特別委員会の委員長として、公務をしっかりと遂行された。
公私を混同することなく、公人としての責務をしっかりと果たす、高潔でしかも謹厳実直な人物ではないだろうか。

氏の出身高校は盛岡第一高等学校(盛一)。学生時代は応援団の一員だったとのこと。
盛一の応援団といえば、幣衣破帽のバンカラ応援団として岩手ではつとに有名だが、無骨であり、粗野で無頓着な恰好はしているものの、日本古来の精神を守る武士道の精神にも通じ、質実剛健、清廉潔白を心情としており、「我が身を挺す云々」といった犠牲的精神は言うに及ばず、復旧・復興に対する貢献は大いに期待できよう。

残り少ない短命内閣と言えども、復興に対するスキームや今後の具体的道筋を、同じ岩手出身の平野達男復興大臣とともに、丁寧にしかも早急に執り行い、尽力して頂くことを切に願っている。




岩手のバンカラ応援団


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