5月としては記録的な大雨をもたらした今回の低気圧、ここ岩手県南も漸く雨脚が弱まってきた。
昨夜自宅に戻るなり、「田んぼの水が心配だからちょっと見回ってきてくれ」との親爺からの伝言がテーブルの上に置いてあった。

早速懐中電灯を右手に、傘を左手に持ちながら側溝を見て回った。
分水口付近を、懐中電灯で遠くから照らしてみると物凄い勢いで氾濫しているのが確認できた。
こりゃマズイと、慎重に足元を照らしながら分水口まで下りていった。
早速流れを本流に戻そうと、ハンドルに手を掛けた。
「ウゥ!びくともしない」「何じゃ!」

知命を過ぎて多少の衰えはあるとしても、未だまだ腕力には自信があった。
動かない筈がないと、
足元を念入りに確認してからもう一度、おもいっきり力を込めて回そうとした。
それでもビクともしない。「クソ!」

雨脚は強くなるがそれどころじゃないと、傘をぶん投げ、びしょ濡れになりながらも、必死になって回そうとしたがうんともすんとも言わない。
次第に焦りとイライラがつのるばかり。
まさかここで引き返す訳にはいかない。「何とかしなければ・・・」

雨が降りしきる中、すっかり冷静さを欠いていたようだった。
ふと冷静さを取り戻し、「押してもダメなら引いてみな」の格言を思い出し、ハンドルを反対側に回してみる事にした。
実は先程も一度右側に回したものの、かなりきつかったので「違う」と勝手に判断していたようだ。

その原因は、何と言っても一番最初の行為がマズかった。いきなり力任せにきつく閉めたものだから、回りづらくなっていたのである。
その事に漸く気付き、流れを本流に戻し氾濫を鎮めたが、水の管理を親爺任せにしていた自分が情けなかった。正しく自業自得であった。


イメージ 1