酪農フォト短歌9作目が掲載された。


牛と犬 闘い臨む 縄張りの 天より下す 鼻息荒らし


<Essay>
12世紀の頃から、イギリスでは雄牛と闘犬を闘わせるブル・バイティングというスポーツが行われていた。
それは、雄牛を柵に縄や紐で繋ぎ、そこに闘犬を放して闘わせるといったいわば牛虐めの残酷なスポーツ(1835年に禁止された)だった。当然、賭け事の対象にもされていた。また、ブルドックやブルテリアなどはその為に改良された犬種だとも言われている。
これらのスポーツとはまったく別に、それぞれ「生きる為」の原理原則としての闘いは決して少なくはない。

生き物にとって生存する上で必要な物とは、何といっても食べ物である。その餌となる食べ物がある場所を確保、獲得する為に動物たちは縄張(テリトリー)り争いをする。
勿論、動物の種類が違っているにしても、餌となる物が共通の場所に限る。
しかしながら動物たちの場合は、わざわざ戦わなくとも本能的に相手の力量を咄嗟に判断する事ができる。
やっかいなのは人間だ。

真っ向勝負、素手の喧嘩であれば当然相手の体躯をみて咄嗟に強いか弱いかの判断を下す。
その為に取り返しのつかない状況にはなり難い。
しかしながら、人間は脳の発達や進化と共に武器を持つようになり、武器を身に付けた獣と化す。
その武器も大量破壊兵器ともなれば大変な事態になる。
領土問題で揺れる日本の西と北だが、人間のコミュニケーション能力である「言葉」を最大限に生かし、決して力勝負に出るのではなく、穏便な話し合いで解決してもらいたいものだ。



やはり喧嘩は素手に限る。手加減が分かるからだ!

酪農ジャーナル12月号


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